樹木葬の木に適した主な種類とは? 選ばれる理由やどのように選定したらいいか、木のそれぞれの意味などを解説
樹木葬のシンボルツリーに適した樹木の種類はさまざまですが、霊園によって植樹できる木の種類に制限があります。好みの樹木を植えたい場合は、先に木の種類を決め、それから霊園を探すのがおすすめです。
本記事では樹木葬で選ばれる主な木の種類や、樹木葬の木を選ぶポイントについて解説します。樹木葬に使われる木の種類を知りたい方や、シンボルツリーの選び方をチェックしたい方はぜひ参考にしてください。
目次
樹木葬で選ばれる主な木の種類と特徴
樹木葬のシンボルツリーは、日本の気候風土に適しており、かつ育てやすいものが選ばれる傾向にあります。
ここでは樹木葬で選ばれる代表的な木の種類と、それぞれの特徴をまとめました。
桜
桜は日本人にとって特別な木であり、古くから文学や歌などによく用いられてきた歴史があります。見た目の華やかさもさることながら、満開になってから散り始めるまでの期間が短く、散り際の潔さが日本人の死生観に合うこともシンボルツリーに選ばれる理由のようです。
ヤマツツジ
ヤマツツジは樹木葬が普及し始めた当初から代表的なシンボルツリーとして採用されてきた木です。あまり大きく成長せず、横に広がるように伸びるところが特徴で、お手入れしやすいという利点があります。
カラマツ
カラマツはマツ科の落葉高木で、春には新緑、秋には紅葉が楽しめる木です。非常に成長が早く、かつ大きく育つため個人宅ではあまり植樹されませんが、広々とした場所では観賞用として親しまれる木であり、樹木葬にもよく用いられます。
ハナミズキ
ハナミズキは白色やピンク色のかわいい花(実際は葉が変化した総苞片)を咲かせることで人気の樹木です。枝が水平に伸びる性質があり、ある程度放置していても樹形がまとまりやすいことから、メンテナンスしやすい樹木としてシンボルツリーに多用されます。
サルスベリ
サルスベリは、夏~初秋にかけて赤や白、ピンク、紫などの花を咲かせる樹木です。漢字で「百日紅」と表記する通り、百日間咲き続けるため、墓地の雰囲気を明るくしたい方におすすめの樹木です。
カエデ
カエデは、一般的にモミジの総称で知られている樹木です。名前の由来にもなっているカエルの手に似たような葉は、秋になると深みのある朱色に染まり、見事な紅葉を楽しめます。なお、夏は一転して青々とした葉を付けた姿が涼やかです。
クスノキ
クスノキは常緑高木の一つで、艶のある新緑が美しいことで有名です。害虫の被害が少なく、かつ大木に育つことから、公共の場のシンボルツリーとして用いられるケースも多く、樹木葬でも高い人気を誇ります。
ただし、サイズが大きく、個別型では幅を取るため、合葬型や集合型の樹木葬で用いられるのが一般的です。
樹木葬の木を選ぶ際のポイント
樹木葬の木の種類は複数あるため、どれを選べば良いか迷う方も多いでしょう。そのようなときは、以下のポイントを基準に樹木の候補を絞り込むのがおすすめです。
故人の好みやイメージで選ぶ
故人が生前好きだった樹木や、故人のイメージに適した樹木を選べば、参拝のたびに故人を忍ぶことができます。ただし、好みの木をシンボルツリーとして植樹できるのか否かは霊園によって異なります。
特に他の方と一緒に埋葬される合葬型や集合型の樹木葬では、既に植樹されている木の下に埋葬されることになるため、自由に木を選べません。そのため、故人の好みやイメージに合わせて樹木を選びたい場合は個別型の埋葬方法を検討しましょう。
管理・手入れの仕方で選ぶ
シンボルツリーの管理や手入れを遺族側が行う場合、メンテナンスしやすいかどうかも重要なポイントになります。
小まめな手入れが必要な木や、高所作業が必要になるような高木は個人でお世話するのは難しいため、ある程度放置していても丈夫に育ち、かつ背の低い樹木を選んだ方が良いでしょう。
開花時期で選ぶ
一般的に、お墓参りは彼岸(3月・9月)やお盆(8月)、年末年始(12月・1月)、故人の命日などに行うため、景観を重視するなら参拝の時期に合わせて開花する樹木を選ぶという方法もあります。
例えば、サルスベリは花期が長く、7~9月にかけて咲き続けるため、彼岸やお盆の墓参りで花を楽しみたいという方に適しているでしょう。
花言葉で選ぶ
故人への思いや、故人のイメージに適した花言葉を持つ樹木を選ぶという方法もあります。以下では代表的なシンボルツリーごとの主な花言葉をまとめました。
樹木の種類 | 花言葉 |
桜 | 精神の美、純潔 |
ヤマツツジ | 燃える思い、努力 |
カラマツ | 豪放、大胆 |
ハナミズキ | 永続性、返礼 |
サルスベリ | 雄弁、愛嬌 |
カエデ | 大切な思い出、調和、美しい変化 |
クスノキ | 芳香 |
樹木葬でシンボルツリーを選ぶときは木の種類や特徴をよく知っておこう
樹木葬に用いられる木の種類は複数あり、それぞれ見た目や性質、サイズなどに違いがあります。各々の種類の特徴をよく理解した上で、故人の好みや故人への思い、手入れ・管理のしやすさなどを基準にシンボルツリーの種類を選んでみましょう。
ただし、霊園によって選択できる木の種類に制限があるため、好みの木を植樹したい場合はあらかじめ霊園側に問い合わせることをおすすめします。