家族葬の場合、親戚はどこまで呼ぶ?失礼にならないようにする注意点を解説

家族葬は近親者のみで故人をお見送りしますが、親戚はどこまで呼べばよいのか悩む人も少なくありません。あまり人数を増やしすぎると家族葬の意味合いが薄れてしまいますし、逆に人数が少なすぎると、呼ばなかった人に失礼をしてしまう恐れがあります。後のトラブルを避けるためにも、家族葬にする場合は参列者を慎重に選ぶことが大切です。本記事では、家族葬で親戚はどこまで呼ぶべきか、呼ぶのを迷ったときの対処法や、判断基準のポイント、呼ばなかった人へのマナーについて解説します。

家族葬に呼ぶ親戚の範囲は定義されていない

家族葬に親戚を呼ぶとき、どこまで親戚の参列をお願いするのがマナーなのか気になる人もいるでしょう。結論から言うと、家族葬に呼ぶ親戚の範囲に明確な定義はありません。極端な例では、ご健在の親戚全員を呼んでもよいですし、逆に一親等の家族のみで家族葬を執り行うことも可能です。

実際、葬儀会社が提供している家族葬のプランも、参列者の人数に応じて区分されているケースが多く、10名以下の小規模なプランもあれば、30人以上の参列者を想定したプランもあります。(※)つまり家族葬のあり方はケースバイケースであり、◯親等までの親戚を呼ばないとマナー違反などのようなルールはないので、人数や親戚の範囲を自由に設定することができます。

※出典:お葬式のむすびす.「家族葬の呼ぶ範囲」,(入手日付2023-04-27).

家族葬に呼ぶ範囲、人数に迷ったときに参考にしたい基準

家族葬に呼ぶ人数、範囲は任意で決められると説明しましたが、選択肢の自由度が高いと、かえって判断基準に迷ってしまうことがあります。親戚をどこまで呼べばよいか悩んだときは、以下のポイントを参考に判断してみるとよいでしょう。

家族葬の規模から判断する

家族葬のプランは、おおむね参列者の人数によって決定します。プラン内容は葬儀会社によって異なりますが、一般的な家族葬の規模とプランは以下のようになるでしょう。(※)

参列者の人数 呼ぶ人の範囲の例
① ~10名 配偶者および故人の親、子(孫)
② ~20名 ①に加え、故人の兄弟姉妹
③ ~30名 ①、②に加え、故人の従兄弟(従姉妹)や甥、姪
④ 30名以上 ①、②、③に加え、故人が特に親しくしていた友人、知人

家族葬の規模が大きくなるに従って、呼ぶ人の範囲もだんだん広くなっていきます。
家族葬に限らず、葬儀の規模が大きくなるほど費用は割高になります。予算なども検討しながら葬儀のプランを決め、そこから参列者の範囲を決めるのも一つの方法です。

※出典:お葬式のむすびす.「家族葬の呼ぶ範囲」,(入手日付2023-04-27).

故人の意思を確認する

生前に故人から葬儀の希望を聞いている、あるいはエンディングノートに希望する参列者が記載されている場合は、なるべく故人の意思を尊重しましょう。ただ、故人の友人や知人を招く場合は、近親者も呼ぶのがマナーです。血のつながりがない友人が招かれたのに、血縁者の自分は呼ばれなかったというようなトラブルの火種を作らないよう配慮しましょう。

家族葬に呼ばなかった人への対応

家族葬の案内は、葬儀に参列する人のみに送付するのが一般的です。ただ、家族葬に呼ばなかった人にも、礼儀として個別の対応を行う必要があります。

事前に何の挨拶もなく家族葬を行い、呼ばれなかった人が後からその旨を知ったときに、なぜ呼んでくれなかったのかと不満をもらす可能性があります。無用なトラブルを避けるためにも、家族葬に呼ばない人には、事前に挨拶状や会葬辞退の案内を送付するのがマナーです。

挨拶状や会葬辞退の案内の文例

挨拶状や会葬辞退の案内の文例を紹介します。挨拶状や会葬辞退の案内には、以下のような項目を記載します。

  1. 1. 故人の名

  2. 2. 逝去した日付

  3. 3. 家族葬の日時

  4. 4. 家族葬を行う場所(施設名、住所、電話番号)

  5. 5. 喪主の名

  6. 6. 儀式形態

  7. 7. 家族葬に関する案内

たとえ家族葬に呼ばない人宛であっても、葬儀を行う日時や場所、喪主の名前、儀式形態などの情報はきちんと伝えましょう。親戚の人にも、故人がどこでどのような形で見送られたのか知る権利はあるからです。

重要な項目が、7の家族葬に関する案内です。家族葬は故人の意志により、家族のみで執り行う旨をしっかり伝え、参列の辞退をお願いします。故人の意志であることを明確にすれば、呼ばなかった親戚の人との関係に亀裂が生じるリスクを減らせるでしょう。なお、挨拶状や会葬辞退の案内には、家族葬の詳細な情報を記載する関係上、参列の案内と勘違いされてしまうことも考えられます。当日呼んでいない人が誤って参列するということが発生する可能性もあるので、参列の案内と誤解されないよう、文面のタイトルを『会葬辞退のご案内』にするなど大きめかつ明確な表現を心掛けましょう。

【まとめ】

家族葬に呼ぶ親戚の範囲は慎重に検討しよう

家族葬に呼ぶ親戚の範囲に明確なルールはなく、なるべく故人の意思を尊重した上で、家族が任意で決定することができます。親戚を呼ぶ範囲に悩んだときは、家族葬の規模や故人の意志を基準にすると判断しやすくなります。家族葬に呼ばなかった親戚には、事前に挨拶状や会葬辞退の案内を送付しておけば、失礼には当たらないでしょう。

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