いろいろと選ぶことができる墓石の種類

墓石には驚くほど種類がある

墓地にいってみると、いろいろな墓石を見かけるようになりました。かなりの種類になってきており、バリエーションも豊かです。昔から珍重されてきたものもありますし、新たに使われるようになった物もあります。種類ということでは何百種類もの石材が使われるようになり、非常に多くのものを見ることができるようになりました。実際にここまで多くの種類が存在するのにはわけがあります。同じ種類に属するものでも、産地によって硬度の差があり、呼び名も扱いも異なることがあるというのが大きなポイントでしょう。

同じ組成を持っていても、密度の違いによる吸水率の違いも大きな違いとなってきます。御影石は花崗岩のことですが、本来は兵庫県神戸市の御影町に由来しているものです。これが全国の産地に転用されるようになり、さまざまな名称を持つようになりました。吾妻御影や稲田御影、真壁御影などもその種類であり、産地が違うことによって特性にも差があります。さらに、黒御影と呼ばれるものがありますが、実際には花崗岩ではなく閃緑岩です。黒っぽいものもありますが、これとは別のものであるというところも、種類が多くなっていった理由といえるでしょう。こうした分類がある以上、簡単に種類を理解するのは難しいといえます。一見しただけではわからないことも出てきますので、墓石を選ぶときには信頼できる業者に依頼するということが必要になってくるでしょう。

質が高いからといって高額とは限らない

墓石ということでは、値段の違いも大きなものとなるでしょう。人気があるものは高額になる傾向がありますが、硬度が高いものが好まれることは間違いありません。この場合の硬度とは、圧縮強度のことをさしており、高い圧縮強度を持つ物は割れにくいものとして利用されるようになりました。石ですので、組成や条件によって大きな差が出てきます。もうひとつの側面が、吸水率です。水を吸いにくい石は人気が高いといえます。石ですので、水に触れれば吸い込んでいきますが、これも組成が関連しており、密度が高くなれば、それだけ隙間がなくなるため、外から水が入りにくくなるのが重要です。

水を吸収しないということは、凍結するような気温まで下がっても割れたりする危険性が少ないことを意味しています。外でも風当たりが良かったりする場所になる墓石は、どうしても温度が下がってしまうでしょう。この時に、吸収している水が凍結すると体積が膨張します。染み込んだ内部から膨張するのですから、強い力が働くため、耐えきれなくなれば割れてしまうことになるでしょう。そのため、長く使うことを考えると、吸水率は低い方が良いとされているため、人気が高まる傾向にあります。

ただし、注意しなければいけないのは、こうした性能を持つから高額になるとは限らないということでしょう。さまざまな種類があり、ニーズがありますが、性能が高いものが高い人気を得て希少価値も高まるということではないからです。そのため、石の性質の高さや墓石に向いているとしても、それが高額の石材になるとは限りません。わかりにくい点ですが、こうした側面から考えても、信頼できる業者のもとで選んでいくということが重要になってくるでしょう。

海外からも入ってくる高い品質の石材

墓石に使われる石材の種類としては、花崗岩や閃緑岩、斑レイ岩、安山岩といったところになるでしょう。これらを細かく分類していくだけで、数百種類になってきます。花崗岩は御影石としてよく知られていますが、安山岩は小松石が有名なところでしょう。江戸城にも使われて石であり、東日本では非常に高い人気を誇っています。深成岩の一種である斑レイ岩は、角閃石や輝石を多く含む岩石で、斜長石が目立つこともあるのが特徴です。閃緑岩と近く、灰長石成分の割合の違いがあります。鍋石がそのひとつであり、有色鉱物を含んでいるため、黒っぽくもキラキラと輝くのは大きなところでしょう。墓石として使うほどの石はほとんど算出しなくなったため、希少なものとなりました。

浮金石も斑レイ岩のひとつであり、有名なところでは沖縄県戦没者慰霊碑に使われているため、見かけることもあるはずです。日本でも最高級ランクのものともいえます。産地というところで見てみると、アジア圏だけではなく、ヨーロッパやアフリカ産のものも入ってきています。インドなどのアーバングレーやスウェーデンの黒色系御影石、アフリカのラステンバーグなどは有名でしょう。中国産もいろいろと入ってきており、本当に多くの石材を見かけるようになりました。輸入されてきている種類も多く河北山崎などは有名ですが、他にも漢字の名前以外にアルファベットと数字の組み合わせの場合もあります。質の高いものも出てきている中、安価に手に入るものも多くあり、多くの墓石として流通しているため、見かけることも多いでしょう。

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