樹木葬の選び方のポイントとは? 埋葬方法や立地タイプ別に紹介

樹木葬は、墓石の代わりに樹木を墓標とする新しい埋葬スタイルです。近年の核家族化や少子化、価値観の多様化によって、「お墓の跡継ぎがいない」「維持管理が負担」「特定の宗教にこだわらない」というケースが増え、多くの方に選ばれるようになっています。

本記事では、樹木葬の基本や種類を整理しながら、「埋葬方法」と「立地タイプ」の違いを比較し、失敗しない選び方のポイントをご紹介します。ご自身や家族に合う条件を見つけるための参考にしてください。

近年注目されている「樹木葬」とは?

樹木葬とは、樹木を墓標として埋葬する自然葬の一つです。寺院や霊園の許可を得た墓地にシンボルツリーを植え、その下もしくは周辺に遺骨を自然に還す形で埋葬する点が、従来の墓石のあるお墓との大きな違いです。多くの場合は永代供養とセットになっており、跡継ぎがいなくても供養が続く安心感があります。

注目を集める背景には、少子高齢化によるお墓の跡継ぎの不在や、価値観の多様化、自然回帰を望むライフスタイルの広がりがあります。また、墓石を建てるよりも費用や維持管理の負担を軽減できる点も、人気を高めている理由の一つです。宗旨・宗派を問わず受け入れている霊園も増えており、現代のニーズに合った供養の形として広がっています。

樹木葬の選び方のポイント

樹木葬を選ぶポイントには、主に「埋葬方法」と「立地タイプ」の二つの軸があります。それぞれの特徴を理解した上で、自分や家族に合ったスタイルを検討することが大切です。

1. 埋葬方法

樹木葬の埋葬方法は主に「合祀(ごうし)型」「集合型」「個別型」の3種類があります。費用や個別性、遺骨の扱い方に違いがあるため、重視するポイントを整理して選びましょう。

合祀型

合祀型は、一本の樹木の下に複数の遺骨をまとめて埋葬する方法です。費用が比較的抑えられ、管理の負担も少ないのが大きな特徴です。一方で、合祀は遺骨を骨壷から取り出し他の方の遺骨と一緒に埋葬する方法のため、個別性がありません。埋葬後に遺骨を取り出せない点は注意が必要です。

集合型

集合型は、一本の樹木の周囲に複数の区画が設けられ、それぞれに遺骨を埋葬する方式です。個別のスペースが確保されており、骨壺や骨袋に入れて埋葬するため、他の方の遺骨と混ざらない安心感があります。費用は合祀型より高くなりますが、個別型よりは抑えられることが多いです。一方で、一定期間経過すると合祀に移行されるケースが多い点や、個別型のように1区画を占有するわけではなく、家族も一緒に入れるとは限らない点は理解しておきましょう。

個別型

個別型は、遺骨ごとに専用の区画を設け、そこに一本の樹木を植えて個別に埋葬する方式です。故人一人ひとりをしっかり偲べる点や、自由に墓標を整えることができる点が魅力です。ただし、費用は3つの中で最も高い傾向があり、一定期間後に合祀へ移行する場合もあるため、事前に確認しましょう。

2. 立地タイプ

樹木葬は、立地によって「里山型」「公園型」「庭園型」の3つのタイプに分けることもできます。それぞれの雰囲気や利便性の違いを理解することが重要です。

里山型

里山型は、自然の山林を墓地として利用するタイプです。豊かな自然に囲まれた環境で、故人を自然に還すイメージが強いのが特徴です。ただし、郊外に多くアクセスが不便な場合もあり、管理状況や季節による影響を受けやすい点には注意しましょう。

公園型

公園型は、霊園の一部を公園のように整備したタイプです。多くは都市部からのアクセスが良い立地のため気軽に訪れやすく、施設が整備されているのがメリットです。一方で、自然そのものの雰囲気は里山型に比べると薄れる傾向があります。

庭園型

庭園型は、霊園の一角を庭園のように整備した小規模なタイプです。都心部に多くアクセスしやすい点や、手入れが行き届いた庭園の美しさや四季折々の花木を楽しめる点が魅力です。ただし、公園型よりもスペースが狭く区画数が限られるため、希望者が多いと利用しにくい場合や、費用が高めに設定されているケースがあります。

埋葬方法・立地タイプ以外の確認すべきポイント

樹木葬を検討する際は、埋葬方法の種類や立地タイプの種類以外にも、複数の要素を確認することが大切です。ここでは、判断基準となるポイントを8つ解説します。

管理母体

樹木葬は、「公営霊園」「民営霊園」「寺院墓地」と、管理母体によっても3つタイプがあります。寺院なら法要や供養が手厚い場合が多いです。公営は費用が比較的安定している点がメリットです。民営はサービスや設備が充実している傾向があります。継続性の観点からも信頼できる母体かどうか確認しましょう。

宗旨・宗派の対応

宗教不問の霊園も増えていますが、寺院が運営する場合は宗派を限定していることもあります。家族の宗教観や希望に沿うかどうか、事前に確認が必要です。将来的に親族が別宗派の場合でも問題がないかも、大切なポイントです。

墓標・樹木の種類

樹木葬ならではのポイントとして、シンボルツリーを指定できるのか、銘板やプレートが設置可能かを確認するとよいでしょう。樹木の種類によっては季節ごとの景観や手入れの仕方も異なります。自分や家族にとって思い入れのある木を選べるかも、検討材料になります。

管理状況・設備

樹木葬の場合、植樹の管理がきちんとされているか、共用部分の清掃や設備の手入れが行き届いているかなどをチェックしましょう。園内に水場やベンチ、休憩所が整っていると、参拝時の利便性が高いです。管理体制を確認し、実際に見学して雰囲気を確かめることをおすすめします。

費用

永代使用料、埋葬料、管理費など、費用の内訳を明確に把握することも重要です。相場は方式や立地で大きく異なり、合祀型は安価、個別型は高価な傾向にあります。見積もりは複数霊園で比較検討すると安心です。

規約・ルール

「一定期間後に合祀される」「遺骨の取り出しが不可」「供花や供物に制限がある」など、各霊園の規約は必ず確認しておくべきです。特に後から変更できない条件については見落とさないようしっかりと確認しましょう。

交通アクセス

お墓参りを継続して行うには、交通の便が大きな要素となります。高齢の家族でも通いやすいか、最寄駅からの距離は遠すぎないか、送迎バスや駐車場はあるかなどを確認しておきましょう。アクセスが悪いと、将来的に足が遠のいてしまう懸念があります。

家族・親族の意見

樹木葬を選ぶ際は、家族や親族の合意を得ておくことが不可欠です。樹木葬は、近年広まった新しいタイプの埋葬・供養方法です。先祖代々のお墓や従来の供養を重視している場合や、方針が一致していない場合、将来的なトラブルにつながる可能性があります。家族や親類の意見が食い違うようなら、慎重に話し合いを重ね理解を得ましょう。

まとめ

樹木葬は、埋葬方法(合祀型・集合型・個別型)と立地タイプ(里山型・公園型・庭園型)の違いを理解し、費用や管理体制、家族の希望に合わせて選ぶことが重要です。さらに、アクセスや運営主体、規約などの条件も含めて総合的に検討することで、納得のいく供養の形を見つけやすくなります。

関東エリアで樹木葬を検討している方は、「鳳友産業グループ」へご相談ください。「一社一元サポート体制」でお客様の霊園選びを責任を持ってお手伝いいたします。お電話やフォームにて資料請求・お問い合わせいただけますので、詳しくは公式サイトをご覧ください。

関連キーワード

関連記事

トップへ戻る