お墓参りのマナーをしっかり守ろう

お墓参りは先祖を大切に思う時間

お墓は自分のご先祖やお亡くなりになった方を供養する場所として人々の生活に根付いている場所です。お墓参りで手を合わせることはご先祖に対する感謝の気持ちを表すことであり、また手を合わせる人の心も落ち着かせてくれます。亡くなった方との命のつながりを感じさせてくれる場所としても、今を生きている人々の心のよりどころとして大切にされています。

お墓参りをするということは、お参りする人自身の精神を静かにするという作用もあると言えます。先祖への感謝の気持ちを日ごろから表すためには欠かせないのがお墓という場所です。もともとお墓は、人々の集落の近くに置かれているものでした。一族の屋敷のすぐ近くにあるというお墓も珍しくはありませんでした。お墓参りがそれだけ生活と密接になっており、生活の一部を担っていたということが分かります。

しかしながら、現代社会では生活とお墓参りは切り離されつつあります。お墓の位置が遠くなってなかなか足を運べないという方も多いのではないでしょうか。そうした場合、1回1回のお墓参りは大切なものと言えます。きちんと失礼のないようにマナーを守って、大切な亡くなった方やご先祖への気持ちを表したいものです。現在では春や秋のお彼岸、夏のお盆、亡くなった方の命日、お正月、年忌法要がお墓参りするタイミングとして定着しています。お墓に行って手を合わせる中で、自分は先祖の存在があってこその存在であるということや、家族で健康に生きている今をありがたく思えることもあるでしょう。日々の当たり前に感じていることについて感謝したり、幸せを再認識したりするためにもきちんとお墓へ向かうことは習慣化しておくべきでしょう。

正しいマナーでお参りする

特別なマナーや作法はないお墓参りではありますが、基本的なポイントは知っておいた方が良いでしょう。例えば服装はあまり派手でないものを選ぶ、ということもマナーにつながります。身支度をきちんとすることもしっかりとお墓に手を合わせて気持ちを整えることにつながります。

持ち物は線香やロウソク、数珠、お供えの飲み物や食べ物、生花が一般的です。花ばさみやたわし、ほうき、ごみ袋、ひしゃく、おけなどを持って行ってお墓を掃除するのもおすすめです。お墓が霊園や寺院にある場合には、ひしゃくや手桶は備えてある場合も多いです。

寺院の墓地であればまずは本堂のご本尊をお参りします。ご住職にあいさつしておくことも大切です。ひしゃくや手桶を借りたらお墓へ向かいます。まずはお墓に向けて合掌礼拝をして掃除を始めましょう。掃除の後お花を飾り、お供え用の飲み物やお菓子があれば供えます。供えるときには半紙を用意しておくと便利です。お供え物として墓石にお酒をかけるという方もいらっしゃいますが、墓石はお酒をかけると変色する可能性があるため避けるようにしましょう。線香に火をつけて、口では吹き消さず手であおいで消してから、線香立てや線香皿に置きます。

お参りの順番は亡くなった方と縁の深い人からが一般的です。合掌するとき、手に数珠をかけて胸の前で手を合わせて目を閉じ、感謝の気持ちを伝えます。お花や線香はそのままで、お供え物は動物にお墓が荒らされる原因となりますので持ち帰るようにしましょう。

お墓参りで知っておきたいポイント

お墓が寺院や霊園に置かれている場合、管理料を払うシステムが多くあります。しかしながら、この料金はあくまでも共用部分となっている通路、関連の施設の維持管理に使われるものになります。個人個人のお墓は持ち主がしっかりと守りましょう。ご先祖や亡くなった方がここにいると考えて、こまめに掃除やお参りをすると良いでしょう。

雑草を取り除いて、落ち葉や枯れ枝、ごみは拾います。植物が育つと根が広がり、墓石や土台を圧迫してしまうこともあります。定期的に周辺の植物の管理や手入れも心がけておきましょう。草や枯れ枝の掃除は自分のお墓だけではなく、周辺のお墓の迷惑にもつながる可能性があります。周辺の方へのマナーとしても定期的なお掃除は大切です。周りのお墓と共用すると考えて周辺もきちんと掃除しておけば安心です。

お墓のお供え物として水やお花、線香のマナーもあります。例えばお墓にかけるかけ水は亡くなった方へ施す食べ物としての意味もあります。たっぷりと注いであげることが重要です。墓前にお供えするお花は匂いの強いもの、とげのあるものは避けておきましょう。造花はあまりふさわしくないのでなるべく新鮮な切り花を用意します。枯れて見苦しくなる前に取り換えるのもマナーです。線香は杉線香や匂い線香を用います。香は不浄を清める力があるとされ、邪気を払い心身を清めるために用いられます。香りで落ち着けるというのも線香の役割です。供える前に前回の残りかすや灰は掃除しておきます。しっかりとお墓管理のマナーを守れば誰もが気持ちよくお参りをすることができます。自分のためにもご先祖のためにも、マナーを守って定期的にお墓を訪れてみてはいかがでしょうか。

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